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第六話 長男が吐く
※画像が正しく読み込めなかった方用
以下に続く文章は本ページに掲載されている漫画の内容をテキスト化したものです。検索エンジンによる正確な認識や、読み上げ機能の利用を目的としています。あらかじめご了承ください。
一ページ目
嘔吐恐怖症の方の為、吐いたシーンは文でさらっとにします。
思えば朝からいつもと少し違った。普段はすっと起きて朝食を食べ始めるのに。
<ふだんの長男>
長男:おはよーごじゃます、ぱんくだしゃい
その日は夫が出勤した後も起きて来ず。
おしお:おはようおきて
長男:うぅ~
長男:いなない(パンを一口だけ食べて首を振る)
おしお:もうちょい食べ。
おしお:(いつもは2個食べるのに…。)
私に言われて渋々一個食べ終わった後全部吐いてしまった。食べ物を吐いたのはこれが初めてだった。
熱はなく、この後いつも通り家で遊んだが、昼も少ししか食べず、長い昼寝をした。
二ページ目
私のせいだ。長男の前だというのに泣いてばかりいた。
いつも通り、に見えた。本当は泣いている母親にどう接したらいいのか分からずにいたのかもしれない。
「きょうだい児」という言葉がある。病気や障害を持つ子の「兄弟姉妹」を指す言葉だ。
幼い頃から介護の担い手として親からアテにされたり大人になっても家から出にくく、結婚時に相手側から拒絶されたりときょうだい児特有の困難があるとされる。
架空の親族:弟さん障害があるって…介護はだれがやるの?孫にも障害が出るんじゃないの?
長男もきょうだい児だ。まだ産まれてもいないのにストレスをかけた。
私は…何をやってるんだろう。まだ一歳の息子に甘えすぎていた。
三ページ目
話は変わるが、私は病気について「あの時無茶したから」とか「なんで私が…」と思ったことがない。病気かどうかは確率論、責めたり嘆いたりしたところで次に活かせるわけではないからだ。
おしお:私はスーパー現実主義者でっす
ただ、「これが罰なら罰でもいい」とは思っていた。
おしお:私はスーパーハイパー自分許せないマンでっす!!
けれど調べているうちに考えが変わった。
母親が病気の子を持ったことを「罰だ」と考えていると、きょうだい児も『自分に病気の兄弟がいること』を「罰だ」と考えてしまいます。
…と専門家がどこかのページで言っていた。
おしお:えっっそれはだめ!
『次男に病気や障害があること』が長男の負い目になるなんて絶対だめ。
「兄弟仲良く」じゃなくてもいい。二人それぞれが自由に生きてほしい。
四ページ目
そして私も好きに生きたい。
やりたいことがたくさんある。
仕事、趣味、旅行
子の病気や障害を理由に諦めたくない。
タイミングのいいことにこの時期、パリ五輪そしてパラリンピックが開催されていた。
陸上、水泳、卓球。この3競技には知的障害がある人のクラスがありこうして本人が海外で試合できるならその家族(つまり私)も海外に行けるかもしれない…!と大変勇気づけられた。
(夜の胎動タイム)
「きっと育てられる」「やっぱり不安」の間で揺らぎながら一週間が経とうとした頃、「なんか100%障害もある気持ちになってない?私。」と気づく。
続く




